『標本揚羽』
(決して)
(結ばれ得ぬ)
(運命ならば)
(いっそこのま・・・・・・)
と、
サンジの首に当てた刀を持つ手に力を篭める。
ゆっくりと引かれた紅い線から、
スルリと小さな紅い玉が零れ落ちた。
「抵抗しねぇのか」と、問えば、
サンジは何も言わずに、優しく微笑んだだけだった。
見上げる青い瞳に吸い込まれるように口付けを落とす。
「必ず迎えに来る」
そう言った瞬間、
微かにサンジの身体は震えたけれど・・・
返事は無いままだった。
捕われた想いが深すぎて。
糸を・・・断ち切る事もできやしない。
だから、せめて「約束」を。
◆ ◆ ◆
(酷い男だ。)
と、思った。
人を。
殺して。
殺して。
殺して。
その金で。
(俺を買いに来るのか)
都を出れば、俺の事なんて忘れてしまうくせに。
仕事を損じてしまえば、訃報はココには届かない。
(お前が、"無事"生きているのかすら・・・わからないよ)
けれど。
その言葉に縛られて、俺は待ち続けるだろう。
閉じ込められた揚羽蝶のように。
(殺して連れて行く事もできないくせに)
できもしない約束をする。
(酷い男だ。)
と、
そう思った。
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『標本揚羽』は<NOT DLF>です。
サン誕と関係ないですがこっちにアップしてしまいました。
本当は・・・ゾロ誕の時に描きたかったものです(笑)
でも、ちょっと色々あって描けなかったので(^^;;;
やっと描けたので満足ですv
若干悲恋ぽい雰囲気を漂わせてますが、そこはゾロ。
きっとサンジを遊郭から連れ去るに違いありません!!!
大仕事を成し遂げて掴んだ大金で、サンジを身請けするんですねv
ボロボロの死にかけ&血だらけまま、
身体を引き摺るようにしてサンジに会いに来る。
その手には大量の小判が(笑)
その姿を見て、サンジも遊郭を出る決心をする・・・とか(笑)
そんな感じですv
そして、イメージは「人斬りと花魁」でございます。
こちらのイラストは『maro maro maron 』まーるさんに捧げさせて頂きましたv
(「人斬りと花魁」部屋への献上品でもございますv)
2006.03.23
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