『Powder snow』


 静かに降りしきる雪は、窓から見える
 夜空を、ほのかな光で包み込んでいる。

 ゾロの帰りはきっと遅くなるだろう。
 一面に降り積もる雪が道を隠し見える景色を普段と違うものに 変えてしまうから・・・
 ゾロは迷子になるだろうな、と考えるサンジの口元に自然と笑みが浮かぶ。

 時期はもうすぐバレンタイン。
 今更な気もするのだが、たまには良いか ・・・などと思って、気持ちを目に 見える言葉でゾロに伝えてみようと サンジはペンを手にとった。

 しかし、いざ文章にしようとすると なかなか上手くまとまらない。
 書いては捨て、書いては捨て・・・
 気づくと足元に書き損じた紙が 散らかっていた。

 この家には、2人きりでは淋しいから という理由で飼い始めた2羽のウサギが 一緒に暮らしている。
 1人ゾロを待つサンジの側をいつも ウロウロ離れない。
 それはまるで母親にかまって欲しい子供のようだ。

 足元に転がる紙に興味を惹かれ片方のウサギが不思議そうに拾って 中を見る・・・
 すると頬が段々と赤くなっていく。

 サンジの真似をするのが好きな もう片方のウサギは、口にタバコを銜え (もちろん火は付いていないのだが) ぴょんと飛び跳ねテーブルに顔を出す。

 するとこちらのウサギも不思議そうな 顔で、微笑むサンジの手元を覗き込むと、 こんな文章で締めくくられていた。





『愛してるぜ、クソマリモ』






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 第307話扉絵ネタでございます(笑)
 短いんですけど・・・折角妄想したので
 書いてみました(笑)

 最初はWJの方に書いたんですけどNovelにも
 アップしました。
 最近の増々ゾロとサンジへの愛が膨らみますv
                            2004.02.01   美影 レン


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