『咲花』
君を見るだけで
焼き付くされるような
この胸のイタミ
イタイ
アツイ
でも
ココチイイ
心が焼き焦がれる
そんな想いとは裏腹に
君は凜とした花のように真っ直ぐで…
◆ ◆ ◆
ずかずかずか
「ったく…な〜んか首の後ろがチリチリしやがるぜ…。
なんだってんだ?いったいよ。」
首の後ろを掻きながら神妙な顔をしている原田は足音をたてながら廊下を歩いていた。
「……のとこにでも行ってみるか…。」
原田はの自室へと足を向けた。
の部屋は何度も訪れており、の顔を思い出すと足取りが軽くなっていた。
しかしの部屋から聞き慣れない声がした。
「あん?……客が来てんのか?」
「エクセト!!やっぱり俺の目は正しかったな。」
「確かに綺麗ですけど…私には派手すぎませんこと?」
「それはノーだな。にはこれくらいが似合うんだよ。俺が言ってるんだから間違いなはずはねぇ。」
「まぁ、そうおっしゃっていただけると嬉しいですわ。」
と男の楽しそうな話し声が聞こえる。
男の声は原田には聞き覚えがなかった。
「…めりけん語混じりの男だぁ?梅さんの声じゃねぇな。
チッ…誰なんだよ。」
原田は苛々とした口調になり悪いと思いつつ聞き耳を立て続ける。
「…お前こんな血生臭い所にいるのはかなり勿体ねぇ。
俺のトコに来い。お前はもっと広い世界にいるべきだ!」
「な!?…〜勝手な事言ってんじゃねぇぞおいっ!!」
「うおぉっ!?」
「まぁ、原田さん。どうかなされましたの?」
小柄な男がビクッとなり目を真ん丸にして原田を見、
も原田の様子に首を傾げながら微笑んで迎えた。
しかし原田は襖を開けた恰好のまま固まってしまった。
「原田さん?どうかなされましたの?」
首を傾げるは何時もの着物ではなく洋装をしていた。
彼女の長い赤い髪には真っ白な薔薇が一輪飾られている。
袴ではない黒い洋服はの華奢な首筋や
裾にあるうっすら透けた生地からすらりとした脚を惜し気もなく晒している。
体のラインもはっきりと浮き出る洋装は原田の視線をくぎづけにさせた。
「…あまり見られると恥ずかしいですわ///」
原田の視線には恥ずかしげに睫毛を伏せる。
原田は「わ…悪ぃ」と言って頭を掻いた。
「おぃ、テメェら俺を忘れちゃいねぇか?」
「申し訳ございません陸奥さん。ちょっとだけ忘れたようですわね。」
「ストップ!さらりと肯定するなよ!」
思わず突っ込みを入れる陸奥の姿に原田は改めて眉を寄せた。
「で?…お前は誰なんだ?」
「ハッ!刀や槍に頼っている愚かな奴らに教えてやる義理はねぇな。」
「んだとぉ?喧嘩売ってんのか!?」
すぐにでも飛び掛かりそうな原田をはやんわりと宥めた。
「原田さん、少し落ち着いて下さいな。それに陸奥さんも少々言い過ぎですわ。
因みに私も刀は使いますの……愚かかしら?」
「いや!?そ…そのっ…とにかく!むやみに刀に頼るなって事だ!」
に咎められ陸奥はおろおろと慌てだす。
「っと…話が擦れやがった。ようするに…だはこんな辛気臭いトコにいるべき人間じゃねぇ。」
「さっきから聞いてりゃムカつく事ばっか言いやがって…
それはお前が決める事じゃねぇ。が決める事だ。」
原田はぐいっとの腰を抱き寄せる。
原田の思いもよらない行動には頬を朱色に染め上げた。
「こいつを口説く前によ
俺を倒してみろよ?」
「ホワット!?…お前を倒せだってぇ?ハッ!ちゃんちゃらおかしいぜ。」
一瞬表情が強張った陸奥は振り払うようにクククッと肩を震えて笑いだす。
「俺の必殺技を出したらお前は間違いなく跪くぜ?いいんだな?」
「あぁ?刀の味を知ったこの原田様を跪かせるだぁ?
いい度胸じゃねぇか!やってみろよ?」
「は…原田さん、無益な争いは…」
「大丈夫だ。が心配しなくていい。」
ジリッと原田と陸奥が間合いを取る。
襖側にいった陸奥がニヤリと笑い
「ハーッハハハ!追いかけてこれるもんなら追いかけて来やがれってんだ!
グッバイ〜!!」
後ろ手で勢いよく襖を開けた陸奥は一目散に屯所の廊下を走り抜けていった。
「おい…。」
「なんですの?」
「この場合俺はどうすればいいんだ?」
「とにかくお座りになられてはどうです?」
苦笑しながらも座布団を原田の端に敷き座るように促すと
原田はムスッとした顔でどっかりと座った。
「だーっ!なんなんだあいつはっ!!」
「陸奥さんはあの口調でも平和主義ですし…許して差し上げて下さいな?」
「……ケッ…はあのいけ好かねぇ野郎の味方かよ。」
原田はまるで拗ねた子供のように唇を尖らし目線を反らした。
「まぁ。もしかして原田さん妬きもちですの?」
「…………悪ぃかよ///」
そんな原田の様子にの心はほっこり暖まる。
自分が好いてる男に愛されてるという事幸せを実感し、噛み締める。
「だいたいもだぜ。
……他の男が見立てた服なんて着てんじゃねぇよ。」
原田は嫉妬のあまりの髪に飾ってあった花をくしゃりと触る。
ハラハラと白い花びらが一枚一枚舞い黒い洋服に降りていく。
その光景はの存在をより際立てた。
「こんな風にを咲かせて…その…乱していくのも俺だけでいいんだ///」
顔を真っ赤にした原田がの頬を撫でる。
「確かに今の姿すげぇ似合ってるけど……でも見てると胸が痛ぇ。」
「でしたら今度買物にご一緒するなんていかがでしょう?」
「あん?」
「私、そろそろ新しい着物を買おうと思ってましたの。
原田さんさえよければ見立てて下さいませんこと?」
にっこりとは笑う。
の言葉に原田は一瞬目が見開くがすぐに満面の笑みを浮かべた。
「俺…そんなの苦手だぜ?」
「知ってますわ。」
「変な柄選ぶかも知んねぇぞ?」
「それでも構いませんわ。原田さんが一生懸命選んで下さった着物を袖に通す事が私には意味がありますの。」
はっきりとしたの言葉に思わず原田はを胸にすっぽりと納めた。
「ったく…///本当…いい女だぜ。」
「まぁ…嬉しい事おっしゃって下さいますのね。」
「あーあ。マジでお前を前に余裕こけねぇな。余裕構してる間によ奪われちまうじゃねぇか。」
「それなら大丈夫ですわ。だって自分の身は守れますし
それに…奪われないように先程みたいに護って下さいますもの。」
「ねぇ?」と見上げるの姿に「違いねぇ」と笑いさらにきつく抱きしめた。
【終】
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桜挿頭 / ともさまより、サイト一周年のお祝いに頂きましたv
我侭リクエストに答えて頂きまして・・・
原田さん×ヒロイン←陸奥さん
で、ございます(笑)
花柳の中では、いまのところ陸奥さんが一番お気に入りだったり(笑)
お話の中で、陸奥さんが下さった白い薔薇。
その白い薔薇の花言葉は『尊敬、私はあなたに相応しい』
で、陸奥さんなりのヒロインへの告白だそうです(笑)
嬉しいな・・・と、純粋に思ってしまいましたvvv
陸奥さんって、花柳ではひねくれ者みたいな扱いをされてますが、
真っ直ぐでわかりやすい人だと思うんですけどね、私は(笑)
陸奥さんは可愛いし、原田さんにも嫉妬して頂けましたしv
幸せいっぱいです!
ともさん、素敵なお話ありがとうございましたv
大好きです〜vvv
2007.11.26 紅月 レン
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